
先日、台湾へ行ってきました。
今回の旅の目的は、仕事の一環として参加した国際奉仕に関わるカンファレンス。仕事を通じてご縁のある仲間たちとともに、初めての台湾へ向かいました。
空港に降り立った瞬間、じりっと身体を包む蒸し暑さ。
けれど、その「熱」は気候だけではなかったように思います。
短い滞在でしたが、人との出会いや街の空気から伝わってくる活気やエネルギーが、私の体感温度をさらに上げてくれたのだと思います。

歴史を感じる煉瓦造りの建物、少し古びた建物と新しい建造物。
どこか懐かしく、初めて訪れたはずなのに不思議と既視感がありました。
台湾と日本には歴史的なつながりがありますが、知識として知っている以上に、街並みそのものが静かに語りかけてくるようでした。

市内の市場では、その空気感に圧倒されます。
立ち上る湯気、おいしそうな香り、行き交う会話。
皆、笑顔で生き生きとしています。
お客様の立場になってみると、「あ、入ってみようかな」と足を止めるお店は、どこも店員が笑顔で商いをしているお店でした。
眺めているとふと、商いの原点を、思い出した気がしました。
カンファレンスを終えたあと、現地で出会った方々とも自然と会話が弾みました。
せっかく台湾に来たのだから、提灯(ランタン)で有名な九份へ行ってみたい。
そう話すと、「もう日暮れになるし、現地はかなり雨ですよ」と教えてくれました。
でも、せっかくの機会。諦めきれません。

雨でも行こうと移動手段を調べていた私たちを見て、現地の仲間のひとりが声をかけてくれました。
「Uberを呼ぶから、一緒に下まで行きましょう。Come on!」
予約だけでなく、待ち合わせ場所まで一緒に案内してくれました。
道すがら、支払い方法の話、日本の話、「ぜひ鎌倉にも遊びに来てくださいね」と、さっき出会ったばかりとは思えないほど会話が弾みます。
そして時間ぴったりに車が到着。
連絡先を交換し、握手をして乗り込もうとした瞬間。
「支払いは済ませてあるので、楽しんできてください」
驚いて、「そんな、それは困ります」と伝えても、
「大丈夫。また会いましょう」
と笑顔。
走り出す車の中で、しばらく言葉が出ませんでした。
なんて温かな出会いだろう。
人とのご縁や、受け取った親切は、忘れてはいけないなと思いました。

台湾では、短い期間でしたが、たくさんお茶をいただきました。
どれも本当においしくて、日常の中にお茶を楽しむ文化が深く根付いていることを感じます。
九份でも、茶器や陶器が目に留まりました。
その時ふと思い出したのが、鎌倉やしろを訪れてくださる台湾のお客様のこと。
ぐい呑みをご覧になって、「お茶を飲むのにちょうどいいですね」と選ばれる方が意外と多いのです。
お酒の器としてだけではなく、お茶を楽しむ器として選ばれていた理由が、少し分かった気がしました。
街歩きの途中では、土瓶など気になる道具にも出会いました。
今回は仕入れ目的の旅ではありませんでしたが、写真が撮れなかったものも、代わりに、パンフレットは持ち帰えるなど、次につながる小さなヒントもしっかり受け取って、帰路につきました。
台湾で出会った人。
鎌倉やしろで出会う人。
そして、作品との出会い。
偶然のように見えても、その時、その場所でしか生まれない巡り合わせがあります。
だからこそ、一期一会を大切にしたい。
鎌倉やしろも、全国の作り手の想いと、お客様とのご縁をつなぐ場所でありたいと思っています。
ご縁も、作品も、一点もの。
そんなことを改めて感じた旅でした。
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